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脂肪細胞分化抑制因⼦による新たな体温調節機構の発⾒

地域・研究活動 2026.10.09

⾼崎健康福祉⼤学 ⼤学院健康福祉学研究科の⾼橋樹博⼠(現・帝京⼤学)と下川哲昭
教授らの研究グループは、群⾺⼤学やラ・サバナ⼤学(南⽶・コロンビア)等との国際
共同研究により、脂肪細胞分化抑制因⼦であるEID1 [1] を脂肪組織にのみ過剰発現す
るトランスジェニックマウスを作製・解析し新たな体温調節機構を発⾒しました。
EID1 はヒストンアセチル化 [2] を抑制する核内転写抑制因⼦の⼀つで、中胚葉系幹
細胞から筋組織や脂肪組織への分化を抑制する因⼦として知⾒が蓄積されつつありま
す。本研究では、EID1の⽣体内での機能を理解するために、脂肪組織にのみEID1を過
剰発現するEID1トランスジェニックマウスを作製しました。このマウスは野⽣型(通
常の)マウスに⽐べて、低温環境下で褐⾊脂肪組織へのグルコースの取り込みが有意に
上昇し、熱産性遺伝⼦の上昇を伴い体温が維持されることを⾒出しました。
本成果は、EID1による哺乳動物の体熱調節機構の理解を深めるだけでなく、EID1と
脂肪組織を標的としたエネルギー代謝への応⽤も期待されます。なお本研究の成果は、
Cell pressが出版する学術雑誌 iScience に掲載されました。


【公表論⽂】
・掲載雑誌名:iScience
・掲載年⽉⽇:August 21, 2026
・掲載論⽂名:EID1 overexpression in brown adipose tissue enhances cold-induced
thermogenesis in male mice
(褐⾊脂肪組織におけるEID1の過剰発現は、雄マウスにおける寒冷
誘発性熱産⽣を促進する)
・全⽂掲載:https://www.cell.com/action/showPdf?pii=S2589-0042%2826%2902079-1

[1] E1A-like inhibitor of differentiation 1
[2]ヒストンアセチル化:DNA の配列変化を伴わずに、⼦孫や分裂後の細胞などに伝達
されるエピジェネティクスによる遺伝⼦機能の変化の⼀つ。DNAが巻き付いている
ヒストンタンパク質にアセチル基が付加されるとクロマチン構造が弛緩し、転写が
活性化される。