2020.03.03 地域・研究活動

細胞分化抑制因子による中性脂肪の蓄積抑制メカニズムを解明

生体内の白色脂肪細胞は内臓や皮下に分布し、余剰なエネルギーを中性脂肪(トリグリ セリド)として蓄えることで肥満やメタボリックシンドロームなどの疾患を引き起こし ます。

本学 健康福祉学部 健康栄養学科の内田薫助教と宮崎光江博士研究員、下川哲昭教授らは、群馬大学 医学部 応用生理学分野、サバナ大学(コロンビア)、太田医療技術専門学校との共同研究で、細胞分化を抑制するEP300-interacting inhibitor of differentiation 1 (EID1) というタンパク質が中性脂肪の蓄積を抑制するメカニズムを明らかにしました。

脂肪前駆細胞であるマウス繊維芽細胞3T3-L1 細胞に、4 種類の薬剤、イソブチルメチルキサンチン (IBMX)、インスリン (INS)、デキサメタゾン (DEX)、ロシグリタゾン (Rosiglitazone) を添加すると脂肪様細胞へと分化します(下図参照)。その過程で細胞分化抑制因子であるEID1 を遺伝子導入すると、発現したEID1 分子は核内に移行後、糖から中性脂肪の合成に必要なグリセロール 3-リン酸を生成する酵素であるグリセロール-3-リン酸脱水素酵素 (GPDH) の遺伝子上流に結合し、この酵素の発現を抑制することで中性脂肪の蓄積を抑えることを明らかにしました(下図黄色部分)。

今回の成果は、複雑で多様な脂肪合成/蓄積の抑制に対して新たな分子とその作用機序を提示することで肥満等に関わる病態/疾患の治療につながることが期待できます。

本研究成果は、Journal of Cellular Physiology のOnline 版に掲載されました。
本研究は、高崎健康福祉大学学内研究交流助成金「脂肪細胞の分化機構と代謝特性の解析」によって行われました。

【論文情報】
論文タイトル
EID1 suppresses lipid accumulation by inhibiting the expression of GPDH in 3T3-L1 preadipocytes.

著者
高崎健大・健康栄養:Uchida K, Miyazaki K, Miyazaki M, Shimokawa N (責任著者)
群馬大学・院医・応用生理学:Sato T (筆頭著者), Vargas D, Ariyani W, Koibuchi N
サバナ大学・バイオメディカル:Lizcano F
太田医療技術:Okada J

掲載情報
雑誌 :Journal of Cellular Physiology, 2020 Feb 13. doi: 10.1002/jcp.29567.
URL :https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jcp.29567

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