2024.08.06 薬学科
理科スクールを行いました
8月3日(土)に理科スクールを開催しました。理科スクールは、中学校1年生~高校2年生を対象として、実験を通じて分析化学と生命科学を学ぶことができる企画として毎年開催しています。本年度は、健康栄養学科、薬学科、生物生産学科、子ども教育学科から1つずつ実験のテーマが設定され、参加者は希望するテーマを1つまたは2つ選び実験を行ってもらいました。薬学部では、「身の周りにある物質の構造や性質をみてみよう」というテーマで渡辺和樹 准教授と信田智哉 助教の指導のもと、有機化合物の構造解析を行なってもらいました。
まず、核磁気共鳴(NMR)スペクトル法を用いて化合物の構造解析を行ってもらいました。有機化合物の構造について解説した後に、2次元NMRを組み合わせる「パズルアサイメント法」を用いて、C7H14O6の分子式を持つ化合物の原子同士のつながりを考えてもらいました。そして、NMRから得られた情報から分子模型を組み立ててもらい、その化合物が1-メチルグルコースであることを考察してもらいました。
次に、糖の検出に用いられる「メイラード反応」を行ってもらうことで、構造決定した化合物の性質を学んでもらいました。グルコースと1-メチルグルコース、マルトース、トレハロースを試験管に量り取り、アンモニア水を加えて10分ほど加熱しました。加熱後の溶液の色の変化を観察することで、糖の構造上の特徴を学んでもらいました。
この分析化学実験を通して、参加者には有機化合物の構造決定のための手法や原理を学んでもらいました。高崎健康福祉大学では毎年夏ごろに「理科スクール」を開催しています。次回の開催につきまして、詳細が決まりましたら大学ホームページ等でご案内いたします。