授業・研究紹介⑥ 富田純喜先生(インタビュー)

2021.06.15 子ども教育学科

授業・研究紹介⑥ 富田純喜先生(インタビュー)

 本年度から対面授業が増え、キャンパスに学生たちの声が戻ってきました。しかし、まだ安心はできない状況です。

 今回もインタビュー形式にて本学講師、富田純喜(つなき)先生の授業や研究内容を紹介したいと思います。

―聞き手:本日はお忙しい中ありがとうございます。早速、現在の授業の様子からお伺いいたします。

―富 田:昨年度はオンライン授業が中心になり、難しいことも多々ありましたが、振り返ってみると、大学での学びに必要な要素が多分に含まれていることに気がつきました。

オンライン授業では、各自で資料や文献をじっくり読んだり、悩みながら自分の意見をまとめたりすることになります。意見交換の場が減ってしまったのは残念ですが、時間をかけて考える作業の大切さを改めて実感しました。

今年度は対面授業も行えるようになりました。以前の授業に戻るのではなく、昨年度の手応えを生かしながら授業を行えればと考えています。

富田先生の研究室

―聞き手:先生が研究者の道に進んだきっかけを教えてください。

―富 田:私は、先生になるためではなく、教育学を学びに大学に進学しました。それが今の仕事につながっています。

高校生の頃の私は、それまで受けてきた教育にどこか違和感がありました。そして、教育学を学ぶことで、そのモヤモヤした気分が晴れるのではないかと思っていました。

―聞き手:その「違和感」とか「モヤモヤ」したということは具体的にどのようなことですか。

―富 田:ちょっと説明しにくいのですが、当時私が通っていた高校の雰囲気は、大学進学は当たり前、クラスメートたちも、なんの疑いもなく、受験勉強に勤しんでいるように見えました。そこに漠然とですが違和感がありました。「このままでよいのか、私の本当にやりたいことは何なのか」と。

―聞き手:教育学の道に進んでいかがでしたか。

―富 田:大学での学びのなかで、自分の無知、視野の狭さを思い知ったこともあります。しかし、高校生の頃に抱いていた違和感が完全に解消されるわけでもなく、次々とわからないことが出てきました。次第に、学問や教育という営みの奥深さを知り、それを探究できる研究職に惹かれるようになりました。

―聞き手:とても興味深いお話です。もうすこし先生の専門をお聞きしたいです。

―富 田:学生時代は教育学を専攻していたので、それをベースに、幼児教育・保育における子どもの発達について研究しています。

発達は、子ども一人一人の身体で起こる生物学的に決められた変化のこと、年齢とともにできることが増えていくことと考えるのが一般的だと思います。そのため、年齢に合ったかかわりによって、子どもの発達を促そうとするわけです。それが誤りというわけではありませんが、そう単純なものでもありません。極端な言い方をすれば、発達は人や社会、文化によってつくられる側面もあるからです。発達的に気になるという感覚があるということは、良しとする発達があることを意味し、それは社会や文化によって形づくられます。私たちが発達に介入できる、もしくは、できてしまう領域は想像以上に広く、それを自覚しなければならないと考えています。

―聞き手:先生の担当科目についてお願いします。

―富 田:「教育基礎論」や「保育者論」、「カリキュラム論」などを担当しています。教育や保育の基本的な原理や理論を扱う講義科目が中心です。

原理や理論と聞いただけで眠くなってしまう人もいるかもしれません。「現場で働くうえで原理や理論は必要なの?」といった質問も聞こえてきそうです。原理や理論を学んだところで、すぐに実践で役立つわけではありません。しかし、それらを学ぶことで、現場で起こっていることの見え方が変わります。また、ふと立ち止まって実践を振り返る際の武器になり、課題に直面した際の命綱になります。先日、学生の実習先に巡回で伺った際、先生が「仕事をするようになって、原理や理論の授業の大切さがわかった」と仰っていました。この感覚が少しでも学生に伝わればと思っています。

―聞き手:ここ(研究室)には興味深い本ばかり並んでいますね。本学を目指す高校生(受験生)におすすめの本があれば教えてください。

研究室の書棚
高校生におすすめの本

―富 田:高校生向けの本として、『先生はえらい』(内田樹著、ちくまプリマー新書)をおすすめします。この本は、校種を問わず、先生になりたいという人に読んでもらいたい一冊です。“えらい先生”の条件が書かれているわけではなく、読んで“えらく”なれるわけでもありません。本のカバーには、「『先生はえらい』のです。たとえ何ひとつ教えてくれなくても」と書かれています。“?”が浮かび、好奇心に駆られ本を手に取った人は、“えらい先生”になれるかもしれません。

 もう一つ、この本は、「教えること」と「学ぶこと」の関係についても書かれているので、大学での学びを考える意味でも参考になります。

―聞き手:次に先生が担当されている実習についてお聞かせください。

―富 田:私は今、保育実習のなかの施設実習を担当しています。保育士資格で保育所のみならず児童養護施設や乳児院などで働くことができます。そういった施設へ実習に行くことになりますが、多くの学生にとって馴染みのないところです。それもあり、期待を膨らませている学生もいれば、実習前に不安を口にする学生もいます。ただ、最終的に就職先として選ぶかどうかにかかわらず、保育者になるうえで、様々な境遇の人たちが、それぞれの生き方、生活をしている現実を知る必要があると思います。実習の意義をあげればきりがないのですが、現場の職員の働き方を知り、自分の技術を磨くだけでなく、社会を知る機会になればと思い、実習指導をしています。実習後の学生と話をしてみると、語り口が変わっていることが多く、実習ならではの学びがあるのだと実感しています。

―聞き手:次に先生のゼミについてお聞きしたいのですが、ここ(研究室)には過去のゼミ生が残したものがたくさん並んでいますね。楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

先生の似顔絵 よく似ています!
ゼミ生からの贈り物

―富 田:私のゼミでは、各学生の興味・関心からテーマを絞り、卒業論文の執筆につなげていきます。保育者の専門性やカリキュラムに関する研究、日本と海外の保育の比較研究、学びの意味を問う研究など、テーマは多岐に渡りますが、「自ら課題を決め、根拠を示しながら課題解決の方策を探る」ことに重きを置いています。

 また、ゼミを進めていくうえで心掛けていることが二つあります。一つは、文献を読む時間を大切にすることです。身近な課題でも、丁寧に調べていくと想像以上に複雑で、私たちが感じ取っているのは、表面のごく一部だと気がつきます。もう一つは、各自で書き進めているものを持ち寄り、ゼミ生全員で議論することです。素朴な疑問を投げかけたり、相手に伝わるように説明したり、ときには、生みの苦しみを共有できたりします。

―聞き手:最後に本学を目指す高校生・受験生へアドバイスをお願いします。

―富 田:まずは自分の将来について、自分で考えることが大切だと思います。また、子ども教育学科では保育・教育を専門に学び、多くの人が先生を目指すことになると思います。粗削りでも、自分がどんな先生になりたいかという理想をもっていてほしいです。

それから本学のHPのトップページにもありますが、今年度もオープンキャンパスが実施されます。期日は7月17日(土)、18(日)と8月21日(土)、22(日)です。

感染症対策を万全にした「ハイブリッドオープンキャンパス」となります。

ぜひ参加いただいて、本学のことを少しでも知っていただける機会になればうれしいです。

―聞き手:本日はありがとうございました。

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