本学では、建学の理念である「人類の健康と福祉に貢献する」を基調に、平成30年に理学療法学専攻博士後期課程の母体である理学療法学専攻修士課程を設置しました。修士課程における専門領域は2領域とし、臨床理学療法学領域では、臨床における理学療法評価や治療法に関するエビデンスの構築、地域理学療法学領域では、地域包括ケアシステムを踏まえた保健・医療・福祉システムや地域理学療法の再構築などを通して、保健医療学、中でも理学療法学に関わる幅広い課題に対応することができる高度専門的職業人としての基本的能力を涵養してきました。
今回、本学の建学の精神を一層具体化するため、理学療法学に関わる研究・実践の成果を国内外に発信し、従来のリハビリテーションシステムを改善するために高い研究マインドを持つ、高度専門的職業人として応用的能力を備えた人材を養成することを目的に、理学療法学専攻博士後期課程を新たに設置しました。
理学療法学博士後期課程では、修士課程における臨床理学療法学領域と地域理学療法学領域の垣根なく、総合的に理学療法領域を捉え得るため、2領域を1領域に統合しました。さらに、理学療法の専門性を追求するため領域内に4つの理学療法専門分野を配置し、認定・専門理学療法士などの専門資格を有する教員組織により、高度専門職者及び研究者・教育者の養成を図ります。
専攻長:坂本 雅昭〔教授/博士(医学)〕
| 専攻 | 課程 | 学位 |
|---|---|---|
| 理学療法学 | 修士課程 ※令和8年4月博士前期課程に変更予定 博士後期課程 | 修士(理学療法学) 博士(理学療法学) |
担当教員と教育研究分野(修士課程)
| 領域 | 担当教員 | 主な研究内容 |
|---|---|---|
| 臨床理学療法学 | 研究科長 教授 渡邊秀臣 |
1.運動器疾患の手術前後における理学療法の役割に関する研究 2.多職種連携教育(チーム医療教育)の有用性の解析に関する研究 |
| 専攻長 教授 坂本雅昭 |
1.スポーツ理学療法に関する研究 2.成長期スポーツ障害の予防に関する研究 |
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| 教授 竹内伸行 | 1.光線療法、特に低出力レーザー療法に関する研究 2.疼痛および筋緊張の病態解析と治療的介入に関する研究 3.物理的刺激に対する生体反応と、それに基づく治療的介入に関する研究 |
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| 教授 飯塚陽一 | 1.脊椎脊髄疾患の病態に関する研究 2.運動器疾患がQOLに及ぼす影響に関する研究 3.骨粗鬆症・骨代謝に関する研究 |
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| 教授 千木良佑介 | 1.筋力トレーニング効果についての基礎的研究 2.様々な内・外的要因が筋発揮や筋持久力に与える影響 3.内部障害系理学療法全般(呼吸・循環・代謝)に関する研究 |
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| 教授 樋口大輔 | 1.運動器系疾患を持つ人々の障害構造の解明ならびにQOL(生活の質)の向上に資する研究 2.慢性疼痛をもつ人々に対する理学療法のあり方を追求する研究 3.理学療法教育(特に臨床実習)の改善に資する研究 |
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| 准教授 冨田洋介 | 1.運動制御の基礎研究・中枢神経疾患による運動制御障害に関する臨床研究 2.スピードスケート等のスポーツ動作の解析およびパフォーマンス向上に資する研究 3.整形外科疾患、中枢神経疾患に関する臨床データベースを利用した研究 |
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| 地域理学療法学 | 教授 吉田剛 | 1.予防理学療法学(誤嚥性肺炎やこどものロコモ予防などを含む)に関する研究 2.嚥下理学療法に関する基礎研究および臨床研究 3.地域リハビリテーション活動やシステムに関する研究 |
| 教授 田中聡一 | 1.認知症の発見と予防に関する研究 2.神経難病患者に対する薬物療法とリハビリテーションの併用効果に関する研究 3.入院患者の日常生活動作および認知機能低下予防に関する研究 |
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| 教授 解良武士 | 1.地域高齢者の虚弱の要因に関する研究 2.呼吸サルコペニアに関する研究 3.運動生理学(主に呼吸機能)に関する研究 |
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| 教授 篠原智行 | 1.計量心理学的指標を用いた、バランス機能構造に関する研究 2.フレイルの評価、予防に資する研究 3.地域実践活動の理学療法およびリハビリテーションの意義に関する研究 |
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| 教授 中川和昌 | 1.スポーツ外傷・傷害のアスレティックリハビリテーションや予防に関する研究 2.学童・ジュニアアスリート等、成長期に有効なトレーニングに関する研究 3.地域住民の健康増進・体力向上に関する研究 4.理学療法学および医学・保健学教育に関する研究 |
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| 教授 正木光裕 | 1.脳性麻痺、ダウン症、発達障害といった小児患者の運動・認知障害およびリハビリテーションに関する研究 2.乳幼児の発達および発達促進のためのアプローチに関する研究 3.運動学に基づいた成人患者の運動障害およびリハビリテーションに関する研究 |
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| 准教授 大野洋一 | 1.パーキンソン病に対するリハビリテーションの効果に関する研究 2.動物を使用した運動と脳機能変化に関する基礎研究 3.酸化ストレスと運動の関連性についての研究 |
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| 講師 田中繁弥 | 1.高齢者の認知機能低下予防及び生活の質維持に向けた身体活動介入に関する研究 2.認知機能に関連する身体機能の検討と認知機能低下リスク検出に関する研究 3.介護保険領域、地域リハビリテーションにおける直接支援(個別ー集団)に関する研究 |
担当教員と教育研究分野(博士後期課程)
| 分野 | 担当教員 | 主な研究内容 |
|---|---|---|
| 基礎理学療法学 | 教授 竹内伸行 | レーザー療法を中心とする物理療法および疼痛の病態解析と治療的介入に関する研究 |
| 教授 千木良佑介 | 疾患・障害予防とリハビリテーションにおける全身のフィジカルフィットネス強化に関する基礎的研究 | |
| 准教授 大野洋一 | 各種疾病モデル動物に対する運動介入効果を行動検査や生化学的検査から検証する臨床への橋渡し研究 | |
| 神経・発達 理学療法学 |
教授 田中聡一 | 薬物療法と生活習慣、リハビリテーションによる認知症予防と治療に関する研究 |
| 教授 正木光裕 | 脳性麻痺、ダウン症、発達障害といった小児患者における障害像解明および発達促進のためのアプローチ開発に関する研究 | |
| 准教授 冨田洋介 | 神経科学・バイオメカニクス・運動生理学を融合した臨床・スポーツ運動制御の基礎・応用研究 | |
| 運動器・スポーツ 理学療法学 | 教授 渡邊秀臣 | 理学療法における患者安全及び多職種連携の効果、役割に対する研究 |
| 教授 坂本雅昭 | スポーツ活動における理学療法の応用に関する研究 | |
| 教授 飯塚陽一 | 脊椎脊髄疾患と骨粗鬆症を中心とした運動器疾患の研究 | |
| 教授 中川和昌 | 幅広い対象や競技における、スポーツ外傷・障害予防や健康増進、パフォーマンス向上に関する研究 | |
| 教授 樋口大輔 | 高齢者の健康状態を身体・心理・社会的側面から分析し、健康増進を支援する研究 | |
| 加齢・予防 理学療法学 | 教授 解良武士 | 新しい虚弱概念としての呼吸サルコペニアの定義・診断方法と臨床的意義に関する研究 |
| 教授 篠原智行 | 計量心理学的アプローチによるバランス機能や健康状態、生活の評価および介入の研究 | |
| 講師 吉田 剛 | 栄養・嚥下理学療法を行ううえで必要な評価方法および理学療法実践方法の開発に関する研究 |
教育方針
ディプロマポリシー(DP)
修士課程
a. 所定の年限以上在籍して、30単位以上を修得するとともに、学修を通して以下の4つの要件を身につけていること。
- 理学療法学分野における高度医療専門職者として予防理学療法や地域リハビリテーションの発展に寄与することができる。
- 理学療法学分野における幅広い学識と倫理観を有し、地域もしくは臨床の場でチームリーダーとしての役割を果たすことができる。
- 教育・研究者として、修得した専門能力、研究能力を教育・研究に生かし理学療法学の発展に寄与することができる。
- 修士課程において修得した専門能力、研究能力をもって保健医療学・理学療法学分野での実践の向上に貢献できる。
b. 必要な研究指導を受けた上、修士論文の審査・発表および最終試験に合格すること。理学療法学専攻修士課程の学位論文審査基準ならびに最終試験基準は以下のとおりである。
【学位論文審査基準】
- 問題意識が明確で研究テーマの設定が適切である。
- 先行研究が十分検討され、整理されている。
- 研究目的に適した研究方法を用いている。
- 論文の記述が十分かつ適切であり、結論に至るまで首尾一貫した論理構成である。
- 研究の実施、結果の公開において倫理的な問題がない。
- 新知見が得られ、保健医療学・理学療法学への貢献度がある。
- 保健医療学および理学療法学関連の雑誌に投稿した場合、掲載されるレベルにある。
【最終試験基準】
- 研究課題に関連する専門的知識と豊かな見識、倫理観を有している。
- 課題研究を通して保健医療学・理学療法学、保健医療・理学療法実践への貢献について述べられる。
- 研究成果を積極的に公表する姿勢を有している。
- 高度医療専門職者、あるいは教育・研究職者としての活躍が期待できる。
博士後期課程
本課程において所定の年限以上在学して研究指導を受け、本研究科が定めた科目単位数を修得し、以下に示す能力を身に付け、かつ、博士論文の審査及び最終試験に合格した者に博士の学位を与える。
- 理学療法学に関する先端的研究や応用・開発を自立して行うための豊かな見識と極めて高い専門的知識・倫理性を身につけている。
- 独自の研究計画を立案・実行し、その成果を国際的な科学者コミュニティに発信するための高度な専門能力、研究能力を身につけている。
- 研究成果を地域社会の保健・医療の発展に生かす実践的応用能力を身につけている。
- 課題設定の妥当性・新規性・独創性
- 研究方法の妥当性・新規性・独創性
- 論文構成・体裁の適切性
- 結論の妥当性・新規性・独創性
- 論旨の一貫性
- 当該学問領域における学術的価値と独創性
- 研究課題に関連する専門知識と豊かな見識を有している
- 研究課題を通した理学療法への貢献について述べることができる
- 研究成果を積極的に公表する姿勢とそのための技量を有している
- 研究に関わる高い倫理観を有している
- 高度専門職業人あるいは研究者、教育者としての活躍が期待できる
- 保健医療学研究科の2専攻3分野6領域の共通科目を11科目設定し、3科目の必修科目を置くことで、多職種が交流し、互いの専門性を理解しながら自身の専門性を探究し、チーム医療の推進につながるようカリキュラムを編成する。
- 理学療法学分野の2領域(臨床理学療法学領域と地域理学療法学領域)の間でも領域共通専門科目を7科目設定し、必修科目に「研究倫理と理学療法学研究法」、選択科目に各領域の専門科目を3科目ずつ設定することで互いの領域から得るべき情報を偏らずに学修できるようカリキュラムを編成する。
- 領域ごとの専門科目については、各領域の特論と演習を組み合わせて基礎と応用の2段階の内容で科目設定を行い、実践課題を研究テーマとした特別研究へとつなげるようカリキュラムを編成する。この中で、学生が主体的に調べ、発表する機会を与えることで自己客観性を養い、他者の意見を柔軟に取り入れる姿勢や他学生の問題を共同で解決する学びの機会とし、教育・研究能力の向上に資するものとする。
- 社会人である医療専門職者の学修と仕事との両立を可能にするために、夜間、土曜日開講を行い、2年コースと3年コースのどちらかを選択できる環境を整える。
- 高い倫理観と高度の専門知識を養うために、基礎理学療法学分野、神経・発達理学療法学分野、運動器・スポーツ理学療法学分野、加齢・予防理学療法学分野の各領域に特化したカリキュラムを編成する。
- 幅広い視野を持った教育・研究能力と倫理観を養うため、「医療・研究倫理学」を中心に基礎科 目を、基礎理学療法学分野、神経・発達理学療法学分野、運動器・スポーツ理学療法学分野、加齢・予防理学療法学の分野ごとに特講・演習を専門科目にそれぞれ必修科目として設置する
- 学位論文作成を計画的に遂行するために、1年次から修業年限まで指導教員の継続的指導を受ける「特別研究」を設置する。
- 本課程では理学療法の分野から人々の生命と健康を支え、人類の幸福に貢献するための高度で専門的な研究を行い、諸課題の解決に実践的に取り組める人材を育成する。そのために、次に掲げる人材を求める。
- チーム医療の中心的役割を担う高度実践専門職者として、卒業後も地域医療の中で積極的に情報発信しながら活躍する意欲を有する。
- 地域リハビリテーションのリーダーとして、エビデンスの構築や次世代の理学療法サービスのあり方を積極的に考え、実践につなげられる素地を有する。
- 理学療法学の発展に貢献する教育・研究者を目指す意欲を有する。
- 地域で理学療法士として働きながら、問題意識を明確に有し、自ら問題解決を図る意識を有する。
- 本課程では保健医療分野から人々の生命と健康を支えるための高度で専門的な研究を行い、諸課題の解決と関連する学問の発展に貢献しうる人材を育成する。そのために、次に掲げる態度、知識および意欲を有する者の入学を期待する。
- 自らの問題意識に基づく科学的な研究から諸課題を解明、解決することを目指す態度を有する。
- 保健・医療・福祉に関して分野横断的に理解し、解決すべき課題を自ら見出して考究するための専門知識を有する。
- 保健・医療に関わる専門職に対する指導者、あるいは教育・研究者を目指す意欲と能力を有する。
【博士論文審査基準】
本研究科の博士論文審査は以下の項目の評価に基づいて行われる。
【博士後期課程最終試験基準】
最終試験は以下の試験基準にそって博士論文の審査委員会によって行われる。
カリキュラム・ポリシー(CP)
修士課程
博士後期課程
本課程において目指す人材を養成するために以下のような教育を実施する。入試概要
| 名称 | 修業年限 | 入学定員 | 学位 |
|---|---|---|---|
| 理学療法学専攻 | 2年 3年 |
3名 2名 |
修士(理学療法学) 博士(理学療法学) |
※定員には社会人を含む。
※授業は一般昼間学生対応の外に、社会人入学者への対応として夜間及び週末時間割でも行います。