研究科長メッセージ
高度保健医療専門職をめざして
少子高齢化社会となった我が国においては、社会構造や生活習慣の変化に伴い、疾病・障害構造が大きく変化するとともに、国民の健康志向が高まる中で、介護問題をはじめ新たな社会的・経済的、そして保健医療的課題に直面しています。そのために、多職種の携わる地域包括ケアシステムの充実が求められています。こうした状況のなか、看護師、助産師、保健師をはじめとする看護職および理学療法士の果たす役割は大きく、かつ多様化しています。高い専門性をもつ、質の高い看護職および理学療法士には社会から大きな期待が集まっています。
本学大学院、保健医療学研究科では専門性の高い実践力を養成するために、保健医療学の課題を研究し、さらには教育的資質の養成も視野に入れた教育を目指しています。未知な課題に対して深く探究して高い専門性の知識・技術を開発し、こうした知識・技術を伝えるコミュニケーション力などの指導的資質の向上が大学院教育の基盤と考えています。また、看護学専攻助産学分野では助産師国家試験受験資格を得ることもできます。一方で多職種連携マインドの養成も重要です。
本学では国連が目指す「持続可能な開発目標 (SDGs)」を視野に入れたグローバル化を推進しています。保健医療分野での牽引組織は世界保健機関(WHO)ですが、WHOでは「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」を掲げています。このなかで看護師、助産師、保健師および理学療法士などの保健人材の質的向上に高い関心を持っています。こうした国際社会の要請に対しても真摯に耳を傾け、新たに生まれる課題に柔軟にそして創造的に対応する能力を自ら培う意欲のある皆様の入学を期待しています。
保健医療学研究科長(教授/医学博士) 渡邊 秀臣