2017.05.31

第3回災害復興スタディツアーを実施しました

 5月13日(土)~14日(日)にかけて、東日本大震災の被災地で学ぶ「災害復興スタディツアー」を実施しました。これは、実際に被災地を見学することによって、(1)当時の甚大な被害について知ること、(2)被災者の現実とその復興について改めて見つめ、自分にひきつけて考えること、(3)今後起きるかもしれない災害を想定しながら自分にできる地域貢献は何かを考えること、を目的として実施されており、今年で3回目となります。

今回、合計18名の学生と引率としてVSC運営委員会のメンバー3名が参加しました。また、参加学科の内訳をみると本学にあるすべての学科からの参加があり、多職種連携のための基礎ともなるお互いの理解を促進するきっかけにもなったのではないかと思います。

 <見学内容>

1:石巻市立病院における見学・講話

新築された病院の入口から講話を聞く会議室まで詳しく案内をしていただきました。建物は地震や津波を受けたことの教訓を生かして、1階部分は駐車場で、いざという時にはトリアージのできる場所にも使うことができます。建物は免震構造で駐車場と連結している部分は揺れにより建物がズレても大丈夫なつなぎの設計になっています。2階の受付ロビーは床暖房が設置され災害時にロビーで寝泊まりする避難者の暖房を確保しています。また、壁に酸素が出る設備(中には吸引もできる設備)が用意されています。震災と津波に対応した設備を説明していただきました。

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▲壁についていた酸素・吸引の設備

 

講話の講師は崎山看護部長で、おおむね次の3つのお話をいただきました。

・震災前の市立病院について

・震災時の状況と対応

・震災の教訓を生かした新病院について

被災初期の状況では、陸の孤島と化した病院で入院患者をどのように避難させるかに奔走しました。患者の避難が完了した後、職員は各避難所に分かれて避難所支援活動を行いました。お話しいただいた崎山さんが活動した福祉避難所での避難者や医療スタッフの活動の様子、仮設病院開設に至るまでの話についても伺うことができました。

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2:石巻市津波避難タワー(魚町1丁目)視察

市内魚町一丁目は海岸線から近くて、海産物加工場などがある工業団地のような地域でした。住民が住んでいる地域ではなく事業所の従業員が多い地域ですが、地震が起きて津波警報が出た際に、高台への避難が間に合わない方が避難する施設として建てられました。ことしは津波避難タワーに登ることができました。市役所防災推進課の水澤課長補佐に説明をいただき,4階と5階に避難するスペースがあることや備え付けの機材の使用方法などの説明も受けました。

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3:日和山公園訪問とコミュニティカフェで地域の方の講話

日和山は震災当日に海岸沿いの住民が避難した小高い山です。今回は実際に地域の方が避難したルートである階段から登りました。雨で悪路の中でしたが、公園まで上がると石巻の海岸までの地域と海が見えました。6年経った現在の様子を見渡すことができました。

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階段の上り口そばには元民生委員さんで、被災者でもある本間さんがこの地域の憩いの場となればと作ったカフェがありました。市内を案内していただいた石巻市社会福祉協議会の阿部さんの紹介で、オーナーの本間さんに震災当時から現在までのお話を伺いました。

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復興に向けての取組として、町内会は一度解散となっていたので、個人的に残っている世帯の方に呼びかけ、地域づくりを行ったそうです。その後、復興住宅等ができ、新たな町内会が発足したので、現在は役目を終えたとのことでしたが、新たにコミュニティを立ち上げることの御苦労と、やはり必要なのは人とのつながりを作っていくことだと感じるお話でした。

 

4:石巻市社会福祉協議会職員による講話

夕食後、その会場を利用し、市社協の阿部さんのお話を伺いました。

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社協の活動は、周りとの連携協定など、さまざまな文書を交わしながら事業を実施していること、人の価値観は十人十色で、それを理解した上で、どのように支援を提供していくのか考えることが大切,などを話していただきました。学生がこれから専門職として働く際に考えて欲しい内容を盛り込んだお話しをお聞きしました。

 

 5:せんだい3.11メモリアル交流館説明・見学

市が運営するメモリアル交流館では、運営主体の職員の方から交流館ができた背景のお話しをお聞きして、その後、2班に分かれて館内を見学しました。それぞれの階に説明ボランティアの方がいらして、展示内容の説明をしてくださいました。

1階は木でつくられた仙台市~名取市あたりまでの沿岸部の地図で、色の違うところが津波の浸水地域とのこと。地図上にポイントがあり、そこにタブレットを近づけるとその場所の詳細が現れます。2階部分は震災時から今までの写真や統計など、時系列で展示されていました。

また、特別展「それから、の声が聞こえる」が行われており、特別展を実施する前に行ったワークショップで、たくさんの参加者が語った今の想いを展示という形で聞くことができました。

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6:亘理町語り部「ワッタリ」による語り

このツアーでは毎年、語り部の方にお話を伺いながら被災地域を見学しています。復興住宅の周りが昨年来たときよりも整備が進み、避難用の小高い丘ができていました。この丘にはこれから周りに植物等が植えられ、公園のようになるとのことでした。また、防潮堤の前にかさ上げ道路を作っていて、二重の防潮堤のようになるとのことでした。

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語り部の方からは、津波の威力の大きさについて、家が流されるほどの力を持っているということ、車が走ってくるようなスピードでやってくることなどを教えていただきました。そして、地震が起きた時に海のそばにいないとは限らない、だからちゃんと知っておいてほしいというメッセージがあり、改めて今後の防災について考えるきっかけとなりました。

 

<振り返り>

スタディツアーの帰りのバスの中で振り返りをしました。それぞれが思ったこと考えたことを出し合い、学んで感じたことを周りの参加メンバーに伝え、またお互いに聞くことができ、いろいろな見方や考え方があることが分かった、という意見が多く聞かれました。

 

群馬県内にいるとなかなか被災地の現状を感じることができません。現地に足を運び、現状を正しく理解すること、そして自分たちの地域で起きた時にはどんな行動をすれば良いか、考えるきっかけになったのではないかと思います。

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